前回は怒りを問題解決に活用する方法について学びました。
今回もその続きとして、より実践的に、
怒る方も怒られる方もストレスを最小限にし、
スムーズなやりとりをするために怒るコツを学んでいきましょう。

感情をぶつけてはならない
怒る目的は、相手に改善案を伝えることです。
それは「私の気持ちを理解して」でも「言うことを聞け」ということでもありません。
感情で相手に伝えることは、動物の本能的な行動に近いものです。
怒りの感情はもともと、相手と戦って自分の身を守るための感情なのです。
しかし、現代においては、相手と戦って勝ち負けを決めることに意味を見いだしません。
なぜなら、人は1人では生きていけないし、それぞれの社会集団で互いが成長しあう事に価値が置かれているためです。
現代は協力しながら成長する社会
勝ち負けをつけるのは、敵同士がすることなので、一緒に協力しながら高め合う仲間に敵対しても意味がありません。
そのため人間関係においてのストレスを最小限度にし、自己実現に向け力を発揮できるようにするために、
感情をぶつけないようにコントロールすることが大切です。
押しつけは、反感を買ってしまう
怒るときは「何度も言ってるよね」や「前から思っていた」「この前もこうだった」などの言い方をしてしまいがちです。
しかし、こうした言葉は相手に反感を買ってしまうので逆効果になります。
なぜならこれらの言葉は怒っている本人が、一方的に主張を正当化しようとする言葉だからです。
こちらの都合ばかりで、相手の事情を全く考慮できていません。
こちらの言い分を聞いてもらいたいのであれば、相手に改善して欲しいと思うのであれば、まずは相手の状況を把握することが大切です。
人は、理解者を信頼する
相手の身になって考えれば分かると思います。
自分の事情を良く理解してくれた人に改善を提案されるのと、
自分の事情に聞く耳を持たず一方的に言うことを聞くように主張されるのと、
どちらが素直に改善したいと思えるでしょうか。
間違いなく前者ではありませんか。
一方的にこちらの都合だけを主張するような言い方は避け、
まずは相手の状況を把握することに注力し、相手を理解するように心がけましょう。
自他の価値観の基準は異なる

「もっとしっかりやって」というと相手は「しっかりやってるよ」と、
素直に耳を傾けることができなくなってしまいます。
あなたの価値観の基準と相手の基準は異なります。
こちらからはそう見えなくても相手は精一杯やっているのかもしれません。
したがって、どの程度しっかりとやって欲しいかは、具体的な数値で伝えることが大切です。
「いつも間違える」と言われると、相手は「いつもじゃないし」と反発するので、反省の気持ちは生まれません。
「今週3回間違ったね」と事実を明確に伝えるようにしましょう。
怒るときは、1対1で
大勢の人が居るところで怒ると、相手は屈辱を感じてしまいます。
そうなると伝えたい事がしっかりと伝わりません。
そのため、怒るときは1対1で話すようにしましょう。
まとめ
すべての怒るコツに共通していえることは
「感情を押しつけず、相手の状況を把握する努力をすること」です。
怒ることは本来、敵と戦い身を守るための感情です。
しかし現代においては、敵と戦って勝ち負けを決めるのでは無く、
自他を尊重しそれぞれの能力を高めることが価値とされています。
なぜなら、互いに協力し合って社会を生み出しているためです。
そのため、怒りの感情を上手くコントロールすることで、互いが気持ちよく切磋琢磨しあえる環境をつくることが大切なのです。