前回は、ストレスを溜める事によって起こる弊害について学びました。
今回は怒りの感情は自己中心的な考えの押しつけであることと、
相手に配慮する視点を持つことで生産的な会話ができることを学びましょう。
怒るのは、説明が面倒だから

「怒ると脳の認知機能が上手く働かず、論理的に説明するのが困難になる」
一見このようにとらえるのが自然なように思われますが、実は逆で、説明するのが面倒くさいから怒ってしまうのです。
少なくとも、怒りやすい性格の人にはその傾向があります。
実は、論理的に分かりやすく説明するのは難しい
相手に伝えたいことがあるときは、論理的に分かりやすく話をする必要があります。
それは簡単そうで、意外と難しいものです。
なぜなら
- 相手がなにを求めているのか
- どうすれば相手に理解してもらえるのか
- どんな順番でなにを話していけばよいか
- どんな表情と言葉がいいのか
このような点を、頭で考えながら相手に説明しなければなりません。
また話している最中の相手の表情やリアクションを伺い、その都度軌道修正する必要もあります。
怒りの頻度が高い人の特徴

怒りやすい人は「自分の気持ちを伝えたい」という気持ちが強いといえます。
しかし、相手の立場に立ち、言葉を選んで伝わりやすい形で表現することを面倒くさがります。
また、攻撃的になったり声が大きくなるのは、
「ちゃんと相手に伝わっていないのでは?」という不安の気持ちの表れです。
そのため、怒りの頻度が高い人とのつきあい方としては、怒っている相手に対し、
「ちゃんと聞いてますよ」「伝わってますよ」という姿勢を示すことが有効です。
「そうですね」「はい」など、あいづちを打ったり頷いたりし、
相手の怒りが落ち着くのを待ちましょう。
怒ると冷静さを失う

怒った時に冷静でいられる人は、極めて少ないでしょう。
怒ると人は、呼吸が荒くなり、脈拍が上がり、血圧も上がります。
興奮した状態になるので、攻撃的な口調になったり、声が大きくなったりします。
怒りで興奮状態にある時、
- 集中力と生産性が低下する
- 語彙力が低下する
- 論理的に考えられなくなる
上記のような、冷静さを失った状態になります。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
集中力と生産性が低下する
怒ると集中力が散漫した状態のため、成果を上げることが難しく、生産性が低下します。
語彙力が低下する
怒るときは、言葉を司る回路が機能しなくなるので、語彙力が低下してしまいます。
簡単で短い言葉だけが出ます。表現力が乏しくなり、単純な言葉しか発することができなくなります。
論理的に考えられなくなる
さらに前頭葉のコントロールがきかなくなるので、論理的な思考ができなくなります。
怒っている人と冷静に生産的な話を行うことは困難なので、相手の怒りが落ち着くのを待ちましょう。
怒ると、生産性が落ちる
怒るのは、面倒くさいという感情から生まれます。
この面倒くさいというのは、「説明してもどうせ分かってくれない」
「相手が何を考えているか分からないが、とりあえず自分の言うことを聞いて欲しい」
などといった自己中心的な考え方から生まれます。
そして怒ると冷静さを失い、論理的思考ができなくなります。
その結果生産性も落ち、良いことがありません。
そのため、思い通りにいかない場面に遭遇したら、
まず相手の立場に立つ視点をもち、会話の目的を明確化させることが大切です。