Lesson4-1.カッとなったら、6秒我慢

前回はアンガーバランスマネジメントの起源から現在までをみてきました。

今回からのLesson4では、怒りの感情をコントロールするための実践的な方法を学んでいきましょう。

まず初めのポイントとしては怒りは6秒我慢すると、抑えることができということです。
驚いた方も多いのではないでしょうか?
たった6秒間我慢するだけで怒りの感情はグッと抑えることができるのです。

なぜ6秒なのか。
それは怒った時の最初の6秒間にアドレナリンが大量に放出されるからです。
反対に言うと、6秒経った後はアドレナリンが放出されなくなるため、怒りの感情が抑えやすくなります。
この6秒間をいかに過ごすかがアンガーバランス・マネジメントにおいて非常に大切なのです。

まずはこの仕組みを使った、具体的な実践方法を学んでいきましょう。
6秒待たずに感情的に怒るとどうなってしまうのか見ていきます。

後悔するし、伝えたいことが伝わらない

ついカッとなり勢いまかせに怒って、後で「なんであんなこと言ってしまったんだろう」と後悔した経験はありませんか。
このように反射的な感情をぶつけることは、本当に伝えたい気持ちが伝わらないと言う問題を引き起こします。

夫婦げんかの例で見てみましょう。
「あなたはいつも靴下を裏返しにして!何度も言ってるよね?何回言っても直んないから、いつも私が直してるんだからね!」
「俺のことは俺が決めるから良いんだよ!そっちだっていつも洗面台の髪の毛放っておくだろ!あれいつも俺が掃除してるんだよ!」

このように反射的な感情をぶつけると
「あなたっていつも〇〇ね!」「おまえだっていつも〇〇だろ」というように
感情をぶつけ合うだけで問題解決には繋がりません

反射的な会話によって、後で面倒になってしまう

その言い合いの結果、「どちらかが謝らないと和解しない
もしくは「口論の末、気まずい雰囲気が漂う」といった、
非常に困惑する状況になってしまいます。

家庭や職場・学校などで、できる限り良好な雰囲気で過ごしたいのであれば、
怒りを感じたときに6秒間我慢し、生産的なコミュニケーションを心がけることが大切です。

では6秒間、どのように我慢すればいいのでしょうか。
具体的にそのやり方を見ていきましょう。

とりあえず、6秒カウントに集中

カッとしたときにできるだけ早く冷静さを取り戻すには、
怒った直後に、興味の対象を変えることが非常に有効です。

つまり、いったん脳に「怒り」の作業を放棄させ、別の作業をさせることで、
意識が怒りから逸れ、冷静さを取り戻すことができます。

そのために一番簡単な方法が「6秒カウントする」ことです。
頭の中で6秒間数えることで、意識がいったん「数を数えること」に向くので、怒りを抑えることができます。

怒り以外で、簡単なことを考える

6秒カウントするのが一番簡単な方法ですが、「興味をそらす」ことができれば良いので、
たとえば
「今日の晩ご飯なにかな」や「今度の休み何しようかな」など、
6秒の間に他の事を考えても大丈夫です。
とにかく、思考をそらすことが大切なのです。

考える内容は「目の前の赤いものの数を数える」「明日の予定を確認する」といった、
怒りの対象とは全く関係ないもので、単純作業的な思考が望ましいです。
なぜなら感情が働きにくくなり、理性的な思考ができるからです。

まとめ

以上のことから、まずは、イライラしたり、カッとなったときに「いったん怒りの感情は置いておいて、6秒間は別の思考をする」というルールを習慣にしましょう。

とはいえ、実際に怒っている場面で6秒我慢を実践できるかというと、最初は非常に難しいです。
なので次回は、6秒カウントをより簡単に実践できる方法を学んでいきたいと思います。