Lesson4-2.怒りをコントロールする癖をつけよう

前回は、怒りを感じたときに、6秒カウントすることが有効だという話をしました。
今回は、6秒カウントする習慣を身につける方法をさらに深く学びます。

また、怒りの感情が生じたとき、とにかく何でも6秒耐えて、怒りの感情を我慢するという必要はありません。
本当に怒らないといけない場面も存在します。
そのため、怒るべき場面はどこなのか、そのポイントも後半で学んでいきましょう。

怒った時は、6秒カウントする事さえ困難

一見、6秒カウントすることは簡単なように思うかも知れません。
しかし、本当に怒りの感情が生じているときは、大量のアドレナリンが放出されている状態なので、感情が非常に高ぶっています。

そのため、6秒カウントする事さえも簡単なことではありません。
イライラしたり、怒りの感情が生じているときは、
思っている以上に冷静な思考が難しくなっていることも頭に入れておくと良いでしょう。

小さい怒りのときに、意識をそらすクセをつけておこう

ここでオススメしたいのは、日常のちょっとしたイライラや、小さな怒りを感じたときに、数字を数える練習をしておくことです。
練習して習慣化させることで、大きな怒りにも対応ができるようになります。

また、大きな怒りであればあるほど、少し複雑なカウント法の方が効果的です。

なぜなら、インパクトが大きな事柄の意識をそらすには、
その分だけ普段より特別な思考を使う必要があるからなのです。

大きな怒りには「カウントバック」が有効

大きな怒りを感じたときに有効な手段として、「カウントバック」という方法があります。
この方法は、怒りの感情から一瞬意識をそらすことで、相手に対して反射的に反応するのを防ぐことができます。

カウントバックの方法は、大きな数字から一定の数字を引いていくだけです。

たとえば、50から始め、3ずつ引いていくと、「50、47、44、41…」となります。
60から初めて6ずつ引くと「60、54、48、42…」となります。

カウントバックは、複雑なほど効果的なので、中途半端な数字から始めたり、引く数字を奇数にするなど、様々に工夫してみましょう。

とにかく6秒間は意識をそらすことが大切です。
しかし、怒りが生じたら何でも我慢すれば良いと言うわけではありません。

ここからは怒っても良いケースを解説していきます。

怒って良い場面もある

どんな内容であっても怒りを抑えないといけない訳では無く、怒っても良い場面も存在します。これには、3つの場合が挙げられます。

1.経済的な損失があった
2. 予想できない原因だった
3.大切な人が傷つけられた

それぞれみていきましょう。

1.経済的な損失があった

起こっていい場合の1つ目としては、経済や財産の損失があった場合です。
たとえば、貸したお金を返して貰えないとか、持ち物を壊されるなど、貰えるはずだった収入がなくなった場合などは、物理的な損失であり、怒るべきポイントだと言えます。

2.予想できない原因だった

次の場合は、怒りの原因が予想の範囲外であった場合です。
もし、予想の範囲内だったら、こちらが対策をしておく必要があるので、そこで怒るべきではありません。

たとえば、子どもに対して「どうしていつも片付けられないの?何度も言ってるよね!」と叱る親がいるとします。

子どもが片付けられる習慣がつかないのは、親の責任です。
何度も同じ間違いを繰り返してしまうのは、片付けるのはなぜ良いのかを知らなかったり、片付ける場所が明確でなく、片付けにくい環境である可能性が考えられます。

予想の範囲内の過失は、そもそも相手が知らないことが原因であることが多いのです。
そのためそのような場合には、相手に分かるように説明したり、環境を整備することが大切になります。

反対に、怒りとなる原因の事象が全く予想できなかった場合には怒っても良いのです。

3.大切な人が傷つけられた

自分を支えてくれる大切な人たちが傷つけられてしまった場合に怒るのは、とても大切な行為です。
それは心身だけでなく、経済的に傷つけられた場合も同様です。

特に、傷つけられた大切な人が立場の弱い、子どもやお年寄りの場合は、強く主張できないだけでなく、傷つけられていることに気づけない事もあります。
誰かが怒ってくれなければ、その人の傷が癒えることはありません。

すなわち、大切な人を守るために怒ることは非常に重要なのです。

まとめ

怒りの感情を6秒耐えることは、簡単なように思えて実はとても難しいことです。
それは、怒りの度合いが大きければ大きいほどだと言えます。
そのため、怒りが小さいうちに、意識をそらす習慣をつくることが大切です。

また、怒りの感情は我慢すれば良いというわけでは無く、時にはきちんと怒らねばならない場面もあるので、しっかりとその違いを見極めるようにしましょう。