今回のページでは、子ども自身が学校や友人関係などで怒りの場面に直面した時にできる対応方法を具体的にお伝えします。
ちょっとしたことですぐキレたり、暴力を振るったり…
親としてはそんな子供の態度が心配になることも多いはずです。
しかし、怒ってしまうということは人間として普通の感情であり、なんらおかしいことではありません。
先生に話を聞いてもらえなかったり、友人に自分自身のことを否定されたり、
怒る理由はそれぞれですし、怒りの感情は誰にでもあって当然です。
問題なのは、自分自身の怒りの感情に惑わされ、正常な判断ができなかったり、上手に怒れなくなってしまうことなのです。
子供は特に、怒りの感情のコントロールが難しく、学校でも習いません。
親がしっかりとコントロール術を身につけてあげることが大切なのです。

子供でも実践できるクールダウン法
前回までのページでも何度か述べましたが、怒りの感情をコントロールするには、最初の6秒間をいかにやり過ごして、自分自身をクールダウンさせるかというのが大切です。
子供でも簡単にできるテクニックをご紹介します。
ゆっくり数を数える
怒りの感情はもって10秒程度。その時間を数えてなんとか過ぎ去らせましょう。
数を数えるのは心の中でも、声に出してもいいです。
未就学児の子供にとっては声に出した方がやりやすく分かりやすいでしょう。
好きな言葉を繰り返す
ついカッとなってしまった時のために、好きな言葉や単語、文章を考えておきましょう。
例えば好きな食べ物やキャラクター、そのキャラクターの必殺技の名前でもいいです。
友達や先生にカッとなってしまったら、この好きな言葉をただ心の中で繰り返します。
そうすることで6秒をやり過ごすことができます。
体を少し動かす
体や手足を少し揺らして、怒りで固まった体をほぐしましょう。
体を動かすことで、注意がそちらに向き、怒りの感情を抑えることができます。
動きを止める
今度は反対に動きを止めてみます。氷になったゲームのような感覚がいいでしょう。
何も考えずにとにかく動きを止めてピタッと固まるのです。
そうすることで次第に冷静になることができ、カッとなる感情を抑えられます。
怒る時にやってはいけないこと
子供というのは感情にとても素直なので、怒った時についつい言いすぎたり、やりすぎてしまうことがあります。
そうなってしまうともう一度仲良くしたいと思っているお友達でも、
もう関係が修復できなくなってしまったり、トラウマを抱えてしまったりします。
そうならないために、怒った時にも絶対にやってはいけないことを事前に説明しておくことが大切です。
わざと相手が傷つくようなことをしない
いくら相手のことが気に入らなくても、必要以上にわざと傷つくようなことを言ったり、してしまうことは良くありません。
怒った理由を冷静に伝えることが大切です。
相手の心を傷つけてしまったら修復するのにとても時間がかかる、
もしくはもう修復できなくなるかもしれないということを子供にも教えてあげましょう。
ものに怒りをぶつけない
どんなに怒りが湧いてきても、ものにぶつけて消化する方法は良くありません。
ものに当たって壊しても、それは自分自身の怒りの感情に向き合っていないため、なんの解決にもなりません。
また、すぐにものに当たる癖がついてしまうと、いつか同じように人を傷つけてしまう恐れもあります。
以上の2点をどんなに怒っても絶対にしてはいけないルールとして親子で共有しておきましょう。
親として注意するべきこと
子供がイライラしているな、怒っているなと感じた時、あなたならどうしますか。
- まあまあ、そんなに怒らなくても…と諭しますか?
- またイライラしてる!と注意しますか?
- 何も言わずに放っておきますか?
実はこのどれもが間違っています。
親として子供にできることは、自分の感情は自分自身でコントロールするということを教えてあげることなのです。
まずは、子供自身が怒りの感情をコントロールできるようになりたいと思っているかを確認しましょう。
カッとなってしまうことで、ひどく落ち込んでいたり、
友人と仲良くできなかったりと悩んでいる場合には、
アンガーバランス・マネジメントを取り入れると良い効果が得られるはずです。
まず、怒るということは誰もが持つ普通の感情であることを説明し、
怒った時にはどうすれば自分の感情をコントロールすることができるのか、
そのポイントを伝え、あとは本人自身にコントロールをさせるようにしましょう。
子供に対するアンガーバランス・マネジメントでは、
自分の気持ちは自分でコントロールするということをまずは子供に理解させることが大切です。
感情のコントロールは、大人でも慣れるまで大変難しいので、子供にとってはなおさら難しいことです。
このページで述べたクールダウン法なども活用して、子供に習慣づけさせていきましょう。
また、実際に子供が怒っているなと感じても、親がコントロールしないように心がけ、自分自身の力で解決させるようにすることが大切です。
いかがでしたか。
Lesson7では、育児における親自身のアンガーバランス・マネジメントと子供自身のアンガーバランス・マネジメントについて学んできました。
次のページからはテーマを変えて、職場におけるアンガーバランス・マネジメントについて考えていきましょう。