Lesson7-3.怒っても後悔しないようになるには

前回は、子どもの短所ではなく、長所を見つけていくことが大切だというお話をしました。
今回のページでは、どうしても怒ってしまった時、後悔しないようにする方法をお伝えします。

イライラが募って思い切り子供を怒ってしまった時、とても大きな後悔が後から押し寄せてきます。
しかし、子育てにおいて怒らないといけない場面は必ずやってきます。

どうしてあんなに怒ってしまったんだろう。
こんなことでイライラするなんて母親失格だな。

こんなふうに毎回後悔しないで済むポイントをお伝えしていきましょう。

イライラのピークをやり過ごす

Lesson4-1でもお話ししましたが、怒りの感情は最初の6秒間がピークで、そこを乗り越えれば自分自身で抑えることができます。

子供に思い切り怒って後悔する前に、この6秒間をうまくやり過ごしましょう。

呪文の言葉を繰り返す

「私は怒ってない」「なんともない」「大丈夫」など、とにかく6秒間、自分自身に呪文のように唱えかけます。
この間に6秒経ってしまえば怒りを和らげることができます。

その場から立ち去る

まず、その場から離れることで、6秒間経つのを待ちます。
ひとりになることで冷静になることができます。

大きく深呼吸

まずは大きく息を吐きましょう。
感情は呼吸と大きく関係しています。イライラすると呼吸も乱れますので、ゆっくり一度息を吐いて、深呼吸します。
そうすることで副交感神経が優位になり、落ち着くことができます。


このように怒りのピークである最初の6秒間をうまくやり過ごせば、子供に怒鳴ってしまったり、怒りを思い切りぶつけてしまって後悔することも少なくなります。

「良い怒り」を心がけて

怒りには大きく分けて2つ、良い怒りと悪い怒りがあります。

後悔してしまう怒りとは、相手を不快にさせてしまうもので、誰にもいい影響を与えません。
不満や不安が原因で発生する怒りの感情は、悪い感情であると言えます。

では反対に、良い怒りとはどんなものなのでしょうか?

例えば、子供が「私なんて何もできないし…」と落ち込んでいたとしましょう。
こんな時、「そんなこと言っていたらだめよ!あなたにはたくさんいいところがあるし、得意なこともこんなにあるじゃない!」
と怒ります。

このような怒りは良い怒りだと捉えられます。
なぜかというと、この怒りは改善や改革を進めるものだからです。

怒りの先に今よりも改善・改革できる可能性が見えるときにはしっかりと怒るようにしましょう。

怒ってしまうことは必ずしも悪ではありません。
このような良い怒りは後悔を生むこともありませんので、安心してしっかりと怒るように心がけましょう。

子どもの考え方は、毎日更新される

子どもに反発され、ついイライラしてしまうことはありませんか?

子どもというのは毎日様々な新しい情報に触れて、日々成長しています。
そのため、昨日言ってたこととまるっきり違うことを言うこともあるのが当然です。
むしろ、考えが変わることは新しい情報を取り入れ、成長している証なのです。

この成長によって親への反抗心が芽生えるのです。

それに対して大人というのは、もう新しい考えに変わることは少なく、自分自身の価値観がある程度定まってしまっています。

こんなとき、子供を無理に変えようとすると、結果的に怒鳴ってしまうことにつながり、大きく後悔してしまいます。
反対に、大人が考え方を変えることが大切になってくるのです。

親に対して反抗してくるということは以前に比べてそれだけ成長した証。

そんな風に考え方を変えることができれば、思い切り怒鳴ったり、無理に言って聞かせたりすることもなくなることでしょう。



いかがでしたか。
今回は親なら誰もが抱える、怒った時の後悔について解説しました。

少しでも後悔が少なくなるように、このページで学んだことを子育て中に実践してみてください。

次のページからは、子供自身ができるアンガーバランス・マネジメントについて学んでいきましょう。