前回は、部下へイライラしてしまうときの対処法を学びました。
このページでは、上司に対してイライラする場面を想定して、そのイライラに対処する方法を具体的に学んでいきます。

きちんと評価されたい
部下が上司に対してイライラ怒りを覚えるときはどういった時でしょうか。
部下と上司だと、立場では上司の方が上になりますので、部下が上司に対して怒っている時というのは、自分の仕事や成果がきちんと評価されていないことが理由であることが多くあります。
仕事をする以上、誰しもが承認されたいという欲求を持ち合わせています。
そして上司に一番理解されたいと感じているでしょう。
上司から言われた通り、もしくはそれ以上の成果をあげたのにもかかわらず、別の部下だけが褒められていたり、自分の評価が低かったりすると、その上司に対してイライラする感情が芽生えてきます。
上司の気持ち
仕事がうまく行った時、上司からの評価が適切にされなければ、だんだんとイライラが募って怒りに変わってしまうということを述べました。
ではなぜ、上司は評価を適切にできないのでしょうか。
それには以下のような理由があると考えられます。
- 部下にとっては大変な仕事でも上司にとってはできて当然だと思っている
- わざわざ口に出して評価するほどではないと思っている
このように上司が考えるため、感謝されなかったり適切な評価をされなかったりするのです。
また、部下へ期待をするあまり、できていないところばかりを見つけてしまうというパターンもあります。
あの部下ならもっとできるはずだ。
そんなふうに期待している上司は、部下ができたことに対しては反応が薄くなり、「もっとこうできるはずだ!」と、今できていることよりもできていないところにばかり目がいってしまい、部下へ指摘してしまいます。
このようなパターンは仕事ができる上司ほど多く陥りやすいと言われています。

上司に対してイライラしないために
このように、部下と上司では、その立場上考えることが全く異なってきます。
上司に対してイライラしてしまう時にも、まずはこの立場の違いからくるお互いの視点の違いを理解することが大切です。
必要のないことは切り捨てる
相手がいくら上司であっても、その問題が自分にとって必要でない場合もあります。
今、正しく評価されないことは今後の自分の人生にとって本当に大切なことなのか今一度考え、大切ではないと感じた場合、キッパリと考えるのをやめてみましょう。
ずっとそのことを考えてしまうと、立場上なかなか上司に対しては怒りがぶつけられないため、家族や部下に怒りの感情が流れて行ってしまいます。
こうなってしまうと自分だけでなく周りの人も巻き込んでしまう結果となるため、そうなる前に怒りの感情を切り捨てる必要があるのです。
上司に対してイライラしてしまったら、まずはその出来事が自分にとって本当に大切なことなのかどうか、考えるようにしましょう。
上司ではなく自分が変わる
イライラした時、もう一つ考えたいのが、「変えられるのは何か」ということです。
上司にいくらイライラしたところで、上司の行動や性格が変わることはありません。
相手に変わって欲しいと願ってばかりいても、自分の思い通りにならずに余計にイライラすることでしょう。
まずはこの、上司のことは変えられないという事実を認めて受け入れることが大切です。
次に、変えられるのは自分自身の行動と考え方だということに気づきましょう。
相手が変わらなくても、自分自身の行動や考え方を変えることで、状況を変化させることが可能です。
例えば、正しく評価されないことに対してイライラしているのであれば、
- 評価して欲しいとはっきり上司に伝える
- どれだけ努力したのかを具体的に上司に伝える
- わかっていてもあまり評価してくれない上司なのだと受け入れる
このようにして、自分自身の行動や考え方を変化させてみましょう。
このようにすることで、現在の状況は変化し、イライラを解消することができるはずです。
このページでは具体的に上司に対するイライラへの対処法を学びました。
基本的なアンガーバランス・マネジメント方法は変わらないのですが、立場が上の上司に対するイライラや怒りは直接のぶつけどころがないため、家族や部下など関係のない人に八つ当たりという形で影響が出ることがあります。
この点は特に注意しておくことが大切です。