
前回は、教育現場においてアンガーバランスマネジメントが必要とされる理由を学びました。
今回は子どもが怒るときに注意したいルールを4つご紹介します。
子どもが成長するためには、学校生活において、様々な衝突や問題を経験することが必要不可欠です。
これらの経験を通して、傷ついたり、悲しい気持ちを学ぶことができるのです。
しかしながら、問題に直面した時、感情のままに怒ってしまっていたら、
すぐに解決できる問題でも大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。
そんな時のために、「怒るときのルール」を作って、子どもたちに共有しておくと、
事態を悪化させずに、スムーズに解決することができるようになるのです。
以下で怒るときの4つのルールを解説していきます。
上手な怒り方を子どもたちに対してルール化することで、
教師の負担も大きく減らす事ができますのでぜひ取り入れてみましょう。
1.主語を「私」にして伝える
たとえば
- 「私は、あんなこと言われて嫌な気持ちになった。」
- 「私は、話聞いてくれなくて辛かった。本当は聞いて欲しかった。」
- 「私は、嘘つかれて悲しかった。」
このように、主語を「私」にすることで、感情的にならずに自分の気持ちだけを伝えることができます。
2.ものを壊さない

ドアや壁を殴ったり、机や椅子を投げたり、ノートをびりびりに破くなど、
子どもたちは様々な形で怒りを表現します。
しかし、他者や共有のものだけでなく、自分のものを壊すことは許されません。誰かのものを隠す行為も良くありませんので、
どんなに怒りの感情が大きく膨らんでも、これらの行為はしないようにルールを決めておきましょう。
3.他者を傷つけない

傷つけるというのは、叩いたり、蹴るなどの暴力を振るうだけでなく、暴言を吐いて心を傷つけることもルール違反です。
しかし、まだ子どもたちは、どの言葉が傷つけて、どの言葉なら大丈夫かが分かっていないこともあります。
道徳の授業で共有するなどし、言葉で人を傷つけることがあってはならないことを伝えましょう。
アニメなどで見せると、イメージを持たせやすいです。
4.自分を傷つけない

子どもたちの自己肯定感は、想像よりも低いものだという認識をしましょう。
髪を抜いたり、爪をかんだり、リストカットに及ぶなどといった、自傷行為を行ってはなりません。
自己肯定感を高めてあげるために、積極的に褒めるようにしましょう。
どんなに小さいことでも良いので、褒めることで自信をつけさせてあげることが大切です。
また、子どもたち同士で「褒め合う」ルールをつくることもまた有効です。
怒り方をルール化させれば、健全なコミュニケーションをとれる
このように、怒るときのポイントをルール化することで、
トラブルが起きたときも、健全な言い合いができるようになります。
クラスの朝礼の際に、子どもたちと共有する時間を設けたりし、
子どものうちに「上手な怒り方」を癖づけておくことが将来でもきっと役立ちます。
教師だけに限らず、子育ての場面や普段の日常生活においてもルール化して活用してみましょう。
次回は、子どもが怒ったりイライラしたりする場面での対処法を解説していきます。