前回までは、子どもが抱く怒りの感情への対処法を学びました。
今回のページでは、あなたが教師と仮定して、保護者が怒ったりイライラした場面での対処法を解説していきます。
些細なことにもクレームを言う保護者が事例です。
したがって、接客業や仕事の場面でクレームを言われた場合の対処法としても役立つ内容となっています。では、見ていきましょう。

些細なことでのクレーム
テストの成績や、通知表の結果など、様々なことがクレームの材料になります。保護者がクレームを言うほとんどの原因は、子どもの言っていることだけを信じ、事実と思い込みの区別ができていないことが多いです。
クレームを言われたときに、変にへりくだったり、動揺したり機嫌を伺うことは、相手のイライラを大きくさせて逆効果です。
したがって、クレームを受けたら、毅然とした態度で対応することがまずは大切なのです。
興奮すればするほど、事実に歪みが生じる

人は問題が起きたときに、自分の思い込みで原因を追及してしまう傾向にあります。
その思い込みには偏りが生じ、事実とは全く関係のない妄想にまでなってしまうこともあります。
このような状態でコミュニケーションをとると、
事実が歪んだやりとりになってしまいますので、
事実と思い込みにずれがある事を気づかせることが大切です。
クレームを貰ったら動揺するのではなく、事実を整理し見極めることに注力しましょう。
では実際に、あなたが担任と仮定して、親からのクレームの対話例を見ていきましょう。
対話例
- 親「この前のテストなんですけど、子どもが隣の子の鉛筆の音がうるさくて集中できなくて、点数が悪かったと怒っています。」
- 担任「音のせいで点数が悪かったんですね」
- 親「はい。子どもがそう言っていました。」
- 担任「この前のテストの点数があまり良くなかったのは事実です。しかし、これには原因があります。前回までは選択式のテストでしたが、今回から記述式に変わりました。記述式の問題に慣れていませんでした。これは他のお子さんでも同じ傾向でした。」
- 親「たしかにいつもと問題の感じが違いましたね。あの子ったら、悪い成績だったのを言い訳してたんですね。」
- 担任「お母さん、お子さんも一生懸命勉強していますから、責めないであげてくださいね。〇くんは最近、発言の頻度が増えて、意欲的に取り組んでいますよ。悔しい気持ちも、成長するためには欠かせない感情です。」
- 親「たしかにそうですね。私、隣の子にずっとイライラしていました。」
このように、起こった出来事に照準を合わせた会話を心がけることで、親の先入観を取っ払い、冷静に話せるようになります。
そして事実を正しく認識して貰うことができます。
ぜひこの会話事例を困った時の参考にしてみましょう。
次回は、教師の上司や同僚が抱える怒りへの対処法を学んでいきましょう。